コーチ・保護者が囚われるゴールデンエイジの真実

 

9歳から12歳はスポーツが上達する最も重要な時期である

 

この言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

保護者の方から

「プロになるには3歳から始めなければ遅いですか?」

 

「うちの子は10歳なんですけどもう遅いですか?」

 

と真剣に相談を受けることがとても多いです。

 

いつからこのように考えられるようになったのか?

皆さんはご存知でしょうか?

 

この理論は、90年程前のアメリカの解剖学者スキャモン博士による

「スキャモンの発育曲線」という研究によるものです。

 

人間の神経器官は9歳で成人レベルに達し

これに基づいて複雑な運動も習得しやすくなるという理論です。

 

しかし、近年ではこの理論の見直しが行われています。

 

とくにスキル習得については、神経器官の量が増えることが

そのままスキル上達に直結するとは考えにくいこと。

 

そもそもゴールデンエイジと言われる年代は

前頭葉も未完成なだけでなく

とてもアンバランスな状態です。

 

ざっくり言うと

神経細胞はたっぷり集まってきたけれど

神経細胞からの情報を伝える回路が繋がっていない状態なのです。

 

言うなれば

スーパーAIとして作られ、可能性は凄いが

まだまだ経験値が低く

とんちんかんな答えを出してしまう。

といった感じ。

使い始めたばかりのアレクサです(笑)

 

そもそも「スキャモンの発育曲線」は

スポーツについての研究ではありませんしね。

 

考えてみれば90年も前の研究が

見直されることなく引き継がれてきたことに驚きますね。

 

もちろん、競技によっては

幼少期からくり返し積み重ねられた感覚が重要になることもありますが

 

この年代の多くの子どもたちにとって大事なのは

 

カラダ全体を使い、基礎能力を上げること。

 

走ったり、飛んだり、リズムに乗ったり

上半身と下半身を同時にバランスを取ったり

 

こうした基礎能力を楽しく身につけておけば

たとえ中学、高校から始めたとしても

驚くべき成長を遂げたりします。

 

テニスしかしたことがない選手は

びっくりするほど陸上競技が苦手だったり

 

陸上しかしてこない選手は

球技やリズム感といった感覚が

身についていないことが多いです。

 

すると、カラダの筋肉のバランスも悪くなりますし

 

幼少期から同じ個所に負担がかかることで

種目特有の故障に悩まされるのです。

 

そして、ある年齢に成長したときには

「自分はこれしかできないので・・・」

「このスポーツで成功しなければ自分には価値がないので・・・」

 

というパーソナリティが出来上がるのです。

(上記のセリフは実際に私が選手から聴いた言葉です)

 

ゴールデンエイジという言葉は

 

この時期に、より多くの経験を積み重ねることで

計り知れない可能性の扉を開くことができる素晴らしい年代

 

という意味に変えてもらいたいと思います。

 

決して大人が勝手に

「いつまでに上達しなければ才能はない」

などと

ひとりの人間の可能性を決めつけないでください。

 

その種目をしてきた経験は必ずその子の未来に役立ちます。

 

意味のない時期や経験なんてありません。

 

高校からサッカーをはじめて

Jリーガーになった西部洋平さん

 

近年の陸上400mリレーの選手の多くが

中学時代まではサッカーや野球など

他の種目から転向しています。

 

つまり、ひとつの種目をどれだけ早くから始めたかは関係なく

 

幼少期から

多種多様な運動を通して、運動する楽しさを知り

カラダ全体を使う感覚を育み

 

何よりもカラダを動かすことを「飽きさせない」ということです。

 

そこが皆さん指導者の方々の腕の見せどころです!

 

皆さんの下で、子ども時代に経験したことが「刷り込み」となり

 

大人になってからの「選択」に影響するのです。

 

たくさんの笑顔で、

多くの経験を刷り込んであげてください。

 

長期休み時などは絶好のチャンスですね。

 

子どもが夏休みの思い出を語るときには

「サッカーしかしてない・・・」

なんてことのないように。

 

チーム全員で虫取りもいいですね!

 

下半身を重点的につかう種目のチームなら

 

パラリンピック種目でもある

シッティングバレーボールにチャレンジするのも楽しいですよ!

 

私もチャレンジしましたが

お尻をついたままボールを追う動作は

想像以上に上半身のバランス感覚が必要で

むちゃくちゃ楽しかったです!